大腸ポリープについて
- 大腸の管の表面は粘膜で出来ており、この粘膜層にイボのように隆起し出来たものが大腸ポリープといいます。
- 大腸ポリープは腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられ、この腫瘍性ポリープは進行すると大腸がんになる可能性があります。
- したがってポリープの段階で切除することで大腸がんの予防につながります。
- 大腸ポリープの切除は小さい病変など病態により検査当日に行える場合や、後日行う場合もあります。
大腸ポリープ切除の3つの方法
内視鏡的大腸ポリープ切除術には3つの方法がございます。
1、コールドポリペクトミー
従来は高周波電流を用いて焼灼しつつ切除方法が主流でしたが、この方法は電気を使用しないためより合併症が起こりにくい治療法です。主に小さい病変(10mm未満 腺腫疑)が適応になります。事前に治療のご希望の有無を確認し、検査中治療可能と判断した場合に治療を行います。
大腸cold polypectomy
2、ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)
従来の高周波電流を用いて治療を行う治療法です。コールドポリペクトミーでは治療ができない、より大きなポリープ(約20mm以下の腺腫、又は早期癌)の治療法です。
ポリペクトミーとは茎のある病変に対し、茎にワイヤー(スネア)をかけ絞扼し高周波電流を用いて切除する方法です。EMRとは茎のない病変の下の粘膜下層へ生理食塩水などを注入し、病変を浮き上がらせてワイヤー(スネア)をかけ絞扼し高周波電流を用いて切除します。
大腸 EMR
3、浸水下EMR(Underwater EMR)
消化管の管腔内を水で満たした状態で粘膜下局注を行わずに病変をスネアで絞扼し、高周波電流を用いて切除する方法です。従来のEMRでは平坦な病変やサイズのある病変など、粘膜下局注により病変が分かり辛くなる場合があります。
浸水下では粘膜の緊張がゆるんだ状態で病変を浮き上がらせてそのまま絞扼するため従来のEMRよりも処置がしやすい環境にあります。又、浸水下で処置を行うことによって過剰な貫壁性の熱を抑える効果があり合併症のリスクも減らせる効果があります。
浸水下EMR(Underwater EMR) 当院施行例
大腸ポリープ切除後の注意点
- 日帰り手術になりますので、その日のうちにご帰宅頂けます。 治療の種類、病態により関連病院への1泊入院を勧める場合がございます。
- 手術後は安静を保ち、数日間は食事や運動の制限を行って頂き、出血や合併症を避けるようにして頂きます。
食事
刺激物はお控えてください。
飲酒
アルコールは血流を促進させます。出血の可能性を高めてしまいますので数日はお控えください。
入浴
手術日は長湯をお控えてください。
運動
激しい運動は1週間程度お控えください。
痛みや便に大量の出血が混じっている場合は当院にご連絡ください。
料金の目安
健康保険で3割負担の場合
日帰り大腸ポリープ切除術 | 20,000円程度~30,000円程度 |
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- 2割負担は上記金額の2/3、1割負担の方は上記金額の1/3程度のご負担とお考え下さい。