上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について
- 胃カメラと言われていますが、正式には上部消化管内視鏡または食道・胃・十二指腸内視鏡と呼ばれています。
- 胃カメラは、先端に小型レンズやCCDイメージセンサーが内蔵されている細長いチューブ(ファイバースコープ)を口および鼻から挿入する検査機器のことです。
- この機器を用いることで、食道や胃、十二指腸の内部の様子の撮影が可能となり、その映像はモニターを通してリアルタイムで確認できます。
- これにより病変(炎症やただれ、ポリープ 等)の有無を確認することができるほか、一部組織を採取して、顕微鏡で調べる生検やポリープの切除なども行うことも可能です。
- 胃カメラの目的は、胃痛や違和感、食欲不振など様々な症状の原因を見つけることにあります。また、症状がない場合にも定期的な検査により病変を発見できる場合がございます。
悪性腫瘍、特に胃がんの罹患率は全がんの中で大腸がんに次いで多くなっています(国立がんセンター2020年がん統計予想)。
胃癌の早期発見により癌による死亡を減少させる目的があります。 - <当院では世界最高水準であるオリンパス社製の内視鏡セットを装備しています>
TXI (TeXture and color enhancement Imaging)
スクリーニング検査にイノベーションを起こす新画像処理機能
Feature
TXIは、通常光の情報に基づき、「明るさ補正」「テクスチャー強調」の3つの要素を最適化する画像技術です。バレーションを起こさずに暗部を明るくし、画像上のわずかな構造の変化や色調の変化を視認しやすくします。
Benefit
TXIの革新的な技術により画像上のわずかな変化に対する視認性を向上させることで、スクリーニング検査時における病変の視察性能向上が期待されています。
実際の利用例
また、挟帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)により血管レベルの観察がわかりやすくなります。
がんの増殖には、血管からの栄養補給を必要とするため、病変の近くの粘膜には多くの血管が集まりやすくなると考えられています。NBIでは、毛細血管の集まりやそのパターンなどが鮮明に表示され、通常光による観察では見えにくかったがんなどの早期発見の観察において有用性があります。
NBI (Narrow Band Imaging)
豊富なエビデンスを有する内視鏡診療のゴールドスタンダード
Feature
NBIはVioletとGreenの狭帯域光を用いて粘膜表層の血管走行や表層微細構造を強調します。
Benefit
NBIはスクリーニング(存在観察)から質的・範囲観察までそれぞれのシーンで観察性能の向上に貢献することが期待されます。
実際の利用例
また、挟帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)により血管レベルの観察がわかりやすくなります。
がんの増殖には、血管からの栄養補給を必要とするため、病変の近くの粘膜には多くの血管が集まりやすくなると考えられています。NBIでは、毛細血管の集まりやそのパターンなどが鮮明に表示され、通常光による観察では見えにくかったがんなどの早期発見の観察において有用性があります。
経口内視鏡と経鼻内視鏡の違い
- 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)には、
- 経口内視鏡:口から挿入するタイプ
経鼻内視鏡:鼻から挿入するタイプ - の、2種類があります。
当クリニックでは、どちらも選択することが可能です。
経口内視鏡の特徴
- 経口内視鏡の特徴としては、内視鏡を口から挿入するため、舌の根にチューブが常時触れるようになります。そのため、嘔吐反射がみられるようになり、苦痛を感じるようになるので鎮静剤を使用します。これを投与することで、検査中は意識がボーッとした状態(いわゆる眠っている間に検査が終わる)で受けて頂きます。 鎮静剤を希望されない場合はご相談ください。
- 鎮静剤使用下での経口内視鏡では、チューブ径が太い内視鏡を使用する場合がございます。症例により拡大内視鏡での観察をしますので、目立ちにくい病変などを発見しやすくなるという事もございます。 拡大内視鏡とは狭帯域光観察(NBI)という特殊な光を併用して、細胞や血管レベルで腫瘍を診断することができます。
症例提示
早期食道癌
早期胃癌
- 経口内視鏡の特徴:
- 基本的には鎮静剤を使用しますので、眠っている間に終了します。
- 鎮静剤を使用した場合は検査後休んで頂きます。
- 鎮静剤を使用した場合はお車の運転はできません
経鼻内視鏡の特徴
- 鼻から挿入する経鼻内視鏡は左右どちらかの通りのよい鼻から挿入します。
チューブの径は約5 mm~6mmと細い機器を使用しますため、挿入時や検査時にチューブが舌の根に触れることがないことから嘔吐反射がみられることが少ないです。
したがって、苦痛を軽減するために使用する鎮静剤を使用しなくても検査を受けることが可能となります。 - 従来、内視鏡の径が細くなるにつれ画質の質が悪くなり、詳細な病変の観察が困難な傾向にありました。当院では内視鏡の細径化と高画質化の両立が可能となった最新の機器を使用することにより最適な検査を提供致します。
上部消化管汎用ビデオスコープ GIF-1200N
低ノイズなハイビジョン画像
新しく開発されたCMOSイメージセンサーによりノイズの少ないハイビジョン画像を実現しました。また、改良された光学系と、高精度のレンズ組み立て技術の確立によって、明るさを確保し、微細な血管や粘膜の表面もリアルに再現することが可能となり、正確な診断をサボーとします。
WLI中遠景観察
WLI中遠景観察
- また経鼻の場合口呼吸が可能ですので、検査中に医師と会話もできます。そのため異常を感じたり、ご質問があるといった場合も検査中に直接医師に訴えられます。
- 注意点として、経鼻内視鏡を希望されても鼻腔が狭い、鼻の違和感が苦手、アレルギー性鼻炎等の鼻に何らかの疾患があるという場合は経口内視鏡に変更する事があります。
その場合経鼻用の細径スコープを使用します。
- 経鼻内視鏡の特徴:
- 検査中に会話ができます。
- 鎮静剤を使用しませんので、検査後すぐに検査説明を聞いて頂き帰宅できます。
- 鎮静剤を使用しない場合はお車での来院が可能です。
*鎮静剤をご希望の方はご相談されて下さい
検査前日および当日の注意事項
1、検査前日
- 検査前日の夕食は21頃までお済ませ下さい。水分(水・お茶)は適度に摂っていただいて構いません。
2、検査当日
- 【午前検査の方】午前中に検査予定の方は、検査当日の朝は食事を摂らないで下さい。水・お茶は少量(コップ2杯程度)飲んでも構いません。
- 【午後検査の方】午後から検査予定(14時以降)の方は、午前7時までになるべく固形物の入っていないものをお召し上がりください。(ウイダーインゼリー、スポーツ飲料など)
※麺類、お米、動物性脂肪を含む乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)は胃に残りやすいためお控えください。水・お茶の摂取は可能です。 - 降圧剤、抗不整脈薬などの心臓の薬は、検査当日の朝起床後すぐに服用してください。
- 血糖を下げる薬は検査当日の朝は飲まないでください。また、検査前24時間以内のインスリンは投与しないでください。
- 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血栓薬)を服用の中の方は、休薬せずに来院してください。
- 喘息の吸入薬、心臓の貼り薬をお使いの方は検査当日必ずご持参ください。
- 鎮静剤をご希望の方は、検査当日の車・バイク・自転車などの車両の運転は出来ません。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)の検査時の流れ
来院後に検査着に着替えて頂きます
1.消泡剤を服用
問診後、胃の中の泡を消して、胃壁をきれいにします。観察しやすくするためです。
2.麻酔
経鼻内視鏡の場合は、挿入する側の鼻腔(両側の鼻の奥)に麻酔薬を注入していきます。経口内視鏡では咽頭麻酔になります。
3.検査開始(内視鏡挿入)
左側を下にして検査を行います。鎮静剤を希望される方は鎮静剤を投与します。
4.食道、胃、十二指腸の内部を観察
胃、食道、十二指腸を観察し、必要があれば一部の組織の採取(生検)なども行います。
5. 検査終了
時間は個人差がありますが観察のみなら5分程度です。
料金の目安
健康保険で3割負担の場合
胃内視鏡検査(検査費のみ) | 4,000円程度 |
---|---|
ピロリ菌検査(追加費用) | 1,000円程度 |
病理組織検査(追加費用) | 3,000円程度~6,000円程度 |
- 2割負担は上記金額の2/3、1割負担の方は上記金額の1/3程度のご負担とお考え下さい。